2017年07月28日

再び、外科実習!

先日、久しぶりに岐阜大学で外科の講義と実習を行ってきた。
授業は獣医学部の4年生対象なので、内容はごく基本的な事柄である。
私も大学時代、興味のある授業は目を輝かせて聞いていたが、そうでない授業はたいてい一番後ろで寝てた。
なので、自分の授業でも寝る学生が続出しないようにそれなりに気を使う。
ただ私が喋ってるだけでは寝てしまうので、学生同士でディスカッションさせたり話させたり、あるいは黒板に意見を書かせたりしながらの授業を行った。

授業の前に外科の教授と最近の学生の実習状況について聞く。
すると衝撃的なことが分かった。
外科実習で実際に手術を行うのは交代でやっても5〜6人だけで、残りの学生は見てるだけだという。
いろいろ社会情勢が変わって全員が手術実習をすることができないのだという。
この傾向はどこの大学でも似たようなものらしい。
すると国家試験に受かって免許を取った新卒獣医師のじつに8割が、一度も自分で手術をしたがないということになる!
国に認められた免許皆伝の獣医なのに、縫ったことがあるのはぬいぐるみだけ。
生身の体はお腹を切ったこともない、そんな獣医が世の中に出てくるわけだ。

岐阜大学は学年に大体30名くらいの学生がいるが、その中で小動物臨床に進みたいと思っているのはわずかに数名だけ。
あとは企業とか公務員になりたいという学生がほとんどだった。
医学部ではそのほとんどが臨床医になるのを目標にしている。
獣医学部でも同じだと思っていたので、この現実は非常にショッキングだった!
外科や内科を学んでいる目的、それは国家試験に合格するためのもの。
実際に手術や投薬をして患者を治すわけではない。
それなのに形式ばかりの授業や実習を受け、将来患者を助ける予定にない者たちが大切な献体で手術実習を行うこの現実。
全く意味がわからない。はっきりいって無茶苦茶である。

アメリカの獣医科大学は4年制の一般大学を卒業してから入学する大学院大学であり、入ってくる学生は全員臨床をするために入ってくるので日本のこういった中途半端な現状にはならない。
実習に供される動物たちは真剣に一人前の臨床獣医になろうとする卵のために供され、一つの命が何百何千という命を救うために役立つ。
外科実習で実際に手術を行ったという学生に聞いてみたが、彼女は小動物臨床には興味がないということであった。
なぜこういうことが起きてしまうのだろうか?不思議でならない。
こういうことを言うとまた怒られそうだが、人には多様性があるから何に興味を持つかは自由だが、大学というところは専門的な事柄を学ぶところなので公務員になりたいのであれば公務員に必要なスキルを学んだ方がいいのではないかと思う。

私は幸いにも学生の時にとても多くの手術をやらせていただいた。
そういう時代でもあったのだが、多くの献体や臓器で手術練習をすることができた。
切開、剥離、結紮、縫合という外科の基本を毎日のように練習した。
そして外科に興味を持ち、今でもその気持ちは変わることなく続いている。

おそらく医学部の学生は獣医学部の学生よりも多くの実習をおこなっているはずである。
ぬいぐるみしか縫ったことがないような医者ではどうにもならないから、大学がきちんとそうした教育はしていると思う。
でも獣医学部では悲しいかなこれが現実だ。
見てるだけで興味などわくはずがない。
立派な獣医になって多くの動物たちを救おうと思わないだろう。
ちょっと悲しくなってきた。

数少ない小動物臨床の希望者は思い思いに動物病院に就職し、それから先輩に見よう見まねで手術を教えてもらうことになる。
おっかなびっくり、やり方だけ教わったら後は実地訓練。
患者さんのお腹で練習し、数少ない成功体験を糧に臨床獣医の道を進んで行くことになる。
だから、手術とか臨床をしっかり「教えて」くれるところにみんな就職したがる。
そしてある程度できるようになったら、もう少し専門性の高いところ、あるいは給料がいいとか働きやすいとかいうところに所属を移していく。
今回こういった事実がわかったので、あることを考えた。
うちにもほとんど経験のない新卒の獣医師たちが入ってくるので、大学で教えられないのなら自前で教えていこうと思う。
ウェットラボならなんとかできると思うので、胆嚢付肝臓や腸管付胃を購入し、志の高い若い連中に私がこれまでに学んだ多くの技術を教えていきたいと思う。
公務員がダメと言っているわけではないが、数少ない手術の実習チャンスなら臨床を目指す学生が優先的に経験した方が動物たちのためになると思うのだが…
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2017年07月07日

夜間救急!

今朝も午前4時過ぎに急患の電話があり対応した。
最近は夜中12時過ぎの夜間救急の電話はかなり少なくなったが、それでもたまに対応しなければならない時がある。

先日も大学で若い先生方と話をしていたとき、夜間救急の話題になった。
その先生の病院では週に一度、夜間の当直があるとのこと。
何もなければ深夜12時と午前3時、6時の入院患者の見回りがあるだけで寝ていられるが、急患がある時は寝れない時もあるという。
一人での当直ではなく、看護師さんも一名当直されるということで大変な職場だなあと思うと同時に、そういった夜勤の仕事を中止しようという声が出たことはない、と聞いて凄いなあと感心した。
むしろ救急の現場では自分が鍛えられるからやりがいがあると聞き、自分の学生時代のことを思いだした。

日獣大の研究室時代は毎日朝から夜中まで無我夢中でやっていた。
実験、研究、診療補助、手術補助、入院看護などなど。
数え始めればきりがないほど働いて?いた。
いや、働くという感覚はなく研究室の仕事に没頭していた。

とても大変だったがその時の経験が今の私を支えていると断言できる。
夜間救急はとても大変だが、患者さんも喜んでくれ、自分の腕も上がるし経験も増える。
やりがいを感じることのできる素晴らしい仕事だと思う。
でも、やっぱり体は結構辛い…(笑)
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2017年06月29日

腹をすかせた群衆

先日、ふとしたきっかけから「腹をすかせた群衆」の話を聞いた。ご存知の方もいらっしゃるかもしれないが、ゲイリー・ハルバートという方がマーケティングの話をされた中で出てきた例え話である。提供する側が「これだけいいものだから売れるだろう」と思っていても、購入する側が「欲しい!」と思わなければ物は売れない。この話を聞いた時、私たちの仕事にもすごく当てはまるなと思った。どんなに自分がすごいと思っていても、それを欲してくれる人がいなければ単なる独りよがりになってしまう。

医療の世界なので物を売るわけではないが、医療者側が勝手に思い込んでて患者さんの気持ちをあまり考えていないことは意外にある。いや、たぶん凄くある、と思う。提供側と受ける側で大きなギャップがあればうまくいかないのは道理。

「検査をする」ということを例に取った場合、たくさん勉強してるひとは「検査しなくてもわかるよ」と言う。それだけ自信があるということだが、これは医療者側の目線で、患者さんからしたら「わかる」「わからない」よりも「確実に大丈夫」ということのほうが大事ではないか?どんなにそうだろうと思ってても100%完璧な人間はいない。大丈夫と思っててもそうでないこともまれにある。患者さんは信じて任せているのだから、どんなに自信があっても時々は確認の意味で第二、第三のチェックをしておいた方がいいと思う。

私が肺がんの疑いで病院にかかった時、不安で不安で仕方なかった。これからどうなるのか?どうやって検査するのか?どうやって治療するのか?痛いのか?死んじゃうのか?いろいろな「?」が頭の中でぐるぐる回っていた。知りたいのは「たぶんこうだろう」じゃなくて「まず、間違いない」という確信だった。

任せてもらっていたのに見落としてて(気がつかなくて)大変なことになってた。昔、患者さんに勤務医のKくんが凄く怒られたことがある。私も院長として随分怒られた。どうして気がつかなかったのか?なぜ見落としたのか?Kくんは一生懸命やっていたが、いろいろ事情があって検査項目を絞って最小限でやっていた。うまくいってる時はいいのだが、そうでない時もたまにある。その時にいかに早く気付けるか?ここがおおきなポイントだと思う。たまには見落としたり、忙しくて疲れててそこまで頭が回らなかったり、あるいは知らなかった、ということもきっとある。必要でない検査はもちろんするべきじゃないが、もっと怖がって「確実」に「安全」に「間違いない」という安心が欲しいと思う。
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2017年06月22日

麻酔外科!

先週末、大宮で行われた獣医麻酔外科学会に参加してきました。
今回、この学会参加の一番の目的は、四谷メディカルキューブの笠間先生のお話し「人医療の内視鏡外科医に学ぶ」を聞くことでした!

笠間先生は肥満外科では非常に著名な先生です。
私がまだ内視鏡手術を始めた頃、研究会で直接いろいろなことを教えていただきました。
縫合と結紮は糸で縫ったり結んだりする技術ですが、笠間先生は「一球入魂」ならぬ「一針入魂」の気持ちで一針一針縫っているのだそうです。
動物の内視鏡外科では腸管や胃を切ったり縫合したりする術式がまだほとんどないので一針一針というわけにはいきませんが、それでもその想いには共感するものがあります。

そういえば前回ご紹介したGayet先生も「とにかく慌てず」「丁寧」に「安全」に「確実」に手術を行うことを信条とされておられました。笠間先生にも通ずるところがあり、ぜひ真似しなければならない姿勢だと思います。

内視鏡外科はお腹の中で手術をするので、トラブルがあった時の対応が開腹手術に比べ難しいのが欠点です。
そのかわりとてもよく患部が見えますから、血管の一本一本、神経の一本一本を丁寧に見極めることができます。
顕微鏡でおこなう手術に非常に似ていて、顕微鏡手術も膜を一枚一枚丁寧に剥がしながら手術をしていきます。
だから、縫ったところから出血するということは基本的にありません。
組織の張り具合や緊張を確かめながら縫っていきます。
このように丁寧に手術をすることで出血してから止血するのではなく、出血そのものをしないように心がけます。

また、内視鏡手術ではよく「見えないものが見える」と表現されます。
どういうことかというと、肉眼ではそこまで認識してなくてうっかり切開してる膜一枚もちゃんと見えるという意味です。
見えるということは、膜一枚を残して切開する、あるいは膜一枚深いところを剥離していく、という繊細なことが可能になります。
このことは細い血管を残して切るべき組織を切ることが可能になりますから、当然出血が少なくなり、その結果組織のダメージも少なく、回復が早くなる、手術が安全になるということです。

笠間先生の手術は超肥満の患者さんの胃を部分的に切除し、腸管を切ってから再接続させます。
これを開腹でやったら間違いなく今よりも成績が悪くなる、すなわち手術後の経過が悪くなるとおっしゃっていました。
腹腔鏡手術は単に傷が小さくて痛みが少ないだけではなく、安全性も高いということなのです。

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2017年06月11日

国際学会に参加!

昨日まで3日間ほどお休みを頂き、横浜で開かれた「日本肝胆膵外科学会」に参加してきました。
例のごとく獣医師の学会ではなく医師の学会であったので、何千人というたくさんのお医者さんに混じって(おそらく獣医師は私だけ…)ちょっと心細かったですがとても刺激を受けてきました。
私が専門にしている腹腔鏡外科、特に胆嚢や肝臓の外科は獣医師の世界ではまだまだ非常に遅れていて(日本でも海外でも)、医師のレベルからするとうん十年の開きを感じます。
悔しいですが、我々獣医師の世界で論議されるのは腹腔鏡手術をやりました、成功しました、というレベルです。
一方、医師のレベルは当たり前ですが世界中でものすごく研究や臨床がされていて、非常に細かく、またたいへん高いレベルの話をしています。
同じ手術をするのにも日進月歩。どうしたら安全性を引き上げることができるのか、どう考えたら出血量を少なくすることができるのか、そんな話を毎日毎日朝から晩までずっと食事をしながらでも議論していました。
私は動物の手術においても決して引けを取ることなく、同レベルのクオリティの高い手術をしたいと思っているので、こうして様々な学会にお邪魔して勉強させていただいています。
明日、すぐにできるというわけではないですが、常に上を目指して頑張りたいです。

今回も非常に刺激を受け、また知らなかったこともたくさん学んで帰ってきました。
たった一つでも知らないことが明確になり、その対処法や考え方を学ぶことが明日につながると思います。こんなことを言うと怒られるかもしれませんが、動物や人も同じ哺乳類。器官の構造や発生過程はほぼ同じと考えられるので、人の医学から応用できることは山ほどあります。
ペットも同じ家族だから人と同じように治してあげたい、同じレベルを目指してあげたいです。

そんな中で今回お話ししたいなと思ったのは、学会会場でどの位置に座るか、座席を確保するか、ということです。
単純なことですが、会場でどの位置に座るかということは非常に大切だと今回痛感しました。

例えば学会とか研究会とか参加した時、今までであれば私は後ろの方か、真ん中あたりに座っていました。
理由はやっぱり恥ずかしいから…。
多分みんな同じでしょうけど、だいたい後ろの方から埋まってきて前の方が空いてる、というのはよく見かける光景です。ところが今回、ある会場に入ったら人が一杯で立ち見が出ているほどでした。
仕方なく前の方に移動して空席を探しましたがあいにく最前列しか空いていません。そこでちょっと図々しいかなと思いましたが誰も知り合いも居ませんからまあいいやと、その最前列の一番端に座りました。
ほどなくしてそのセッションが始まりました。今回の学会は「アジア太平洋肝胆膵学会」という国際学会も兼ねていたので海外のお医者さんたちもたくさん出席されていました。もちろんスピーカーの先生方も大勢海外から来日されていました。
私の目の前の座長席には長身のフランス人が。その方こそかの有名なDr. Brice Gayetでした。後から知ったのですが非常に著名な方で、世界最高峰の技術をもつ先生だとのこと。すこし高齢の先生ですが、まだ最前線で活躍されているということで日本人ドクターが何人も弟子入りされており、また何度も来日されていらっしゃるとわかりました。
私のほんの1〜2mのところでGayet教授が非常に優しい笑顔で弟子の先生方に話しかけられ、その息吹も感じるほどの近距離でそのオーラや空気感に包まれました。教授は「とにかく安全に。ゆっくり、できるだけゆっくりと。ビデオは決して早回しにしないこと。」と仰られ、発表の時々でメモを取っていました。どの箇所でメモを取っているのか、何がポイントなのか、そんなことを目の前にいる私はつぶさに観察することができて非常にラッキーでした。こんなこといつも座っている後ろの席ではとても体験できないことでした。肝胆膵外科を専門にされている医師の先生でもなかなか体験できないことではないかと…。アイドルを目の前に興奮している感覚でした(笑)。

学会にしても研究会にしてもとにかく講師の目の前、吐息がわかるほどの席に陣取ること。これは初学者のような一獣医師にとってはとてつもない大きな発見でした。
多分これからは私は一番前の一番いいところに陣取って話を聞くようになるでしょう。これだけでも今回の学会参加には意味があったと思いました。本当にためになりました!

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2017年05月22日

失敗は成功の素!

どういう獣医師になりたいですか?
どういう看護師になりたいですか?
面接の時にこう尋ねることが多いが、具体的にこう、という返事をしてくれることはそれほど多くない。
だいたい漠然と「こんな感じ」と答えてくれる。

自分の時はどうだったか?と思い出すが、やっぱりそれほどしっかり考えてなかった気がする。
自分のことを棚に上げて人のことは言えないが、いざ面接をする側になるとそれなりの答えが出てくるといいなあ、と思う。
とは言っても嘘をつくわけにはいけないので、どう考えたらいいか考えてみた。

今日、看護師のIさんと話をしてて、彼女の面接の時に私がいいことを言ったらしい。
らしい、というのはその時どんな話をしたのか残念ながら覚えてないので、申し訳ないが彼女から聞いた話になる。

その時私が話したのは、自分が患者さんだったらどんな看護師さんに看護してもらいたいか。
獣医さんだったら、患者だった時にどんな獣医さんに診てもらいたいか。
そう考えると具体的な人物像が浮かんでくるのではないだろうか。

うまくできるか、やっていけるか自信がないかもしれないけど、ちょっとでもそんな理想に近づこうと思ったらまず一歩踏み出すことが大切かな。
失敗は必ずするものだし、失敗したほうがいいんだよ。
そう考えたら、失敗したらどうしよう…って考え出てこないよね。
失敗するのが当たり前だったら、とりあえず頑張ってやってみて失敗してまた成長していこう。
失敗しても怒られないから大丈夫。
そんな感じでやっていけばどんどん成長できるよ。

何かで読んだんだけど、日本人は心配性の人が世界で一番多い国民性なんだそう。
おおらかで楽観的な国民性ではないらしいので、ほとんどの人が心配して「失敗したら、うまくいかなかったらどうしよう」と考えるみたい。
だからみんな一緒だから気にせずどんどん失敗にチャレンジしていこう!
成功するまで絶対に諦めない、辞めない気持ちがあれば必ずうまくいくからね。
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2017年05月20日

信じることに勇気をふりしぼる!

今日読んだ本にこう書いてあった。

「信じることは勇気のいることだ」

信じても不安が残る。
信じようと思っても、もしものことがあったらどうしよう、と思う。
そもそも、信じていいのか。
信じる対象は自分、従業員、家族、友人などなど、いろいろある…
だから、信じるためには思い切って勇気を出さないといけない。

やせ我慢の勇気でもいいから、振り絞って信じてみよう。
思うようにはならないと思うよ。
がっかりするだろうね、たぶん。
あーあ、信じるんじゃなかったって思うかもね。

でも、こうも思っています。
信じなくちゃ、永遠に疑わなくちゃいけない。
ずーっとそこに気を使わなくちゃいけない。
そろそろ、そういったことも手放していかないとね…
いつまでもいつまでも、永遠というのはあり得ないしね。

もうそろそろいいんじゃない?
いいかげん失敗してみようよ。
失敗することが大事なんだよ。
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2017年05月16日

失敗したって構わない!

3月ごろから、とにかくむちゃくちゃ忙しくてこのブログも更新できないでいる。
気がつけばもう5月で、本当に時の経つのは早い。
こうしてブログをサボっている間にも実にいろいろな出来事があった。
そのそれぞれが、とても印象深いものであるが、このブログの読者に是非お話ししたいと思っていても体を休めることを優先するとついつい後回しになってしまっている。

心理学の学びは新しいステージに進み、先日も「完璧主義」について考えてきた。
実は私もご多分にもれず完璧主義である。
こういった仕事をしていると、職人としてどうしても完璧を求めてしまう。
それはそれでいい傾向だと思うが、生活がすべて完璧主義では成り立たない。
私生活は決して完璧主義ではないが、もっともっといろいろなことを緩めることを考えようと思う。

以前、この心理学で「失敗をする権利」というのを学んだ。
人は皆、失敗をしないように過ごしてると思うが、失敗は悪いものではないという。
失敗することは成功の前段階で、失敗しなければ学びも少ない。
子供や部下が失敗する権利を奪ってはいけない。
レールを敷いて、失敗しないように、手取り足取りいろいろなことを心配しても決してそれは本人のためにならない。

失敗してもいいのだ。
大切なのは、そのリカバリーである。
そこに人として大切な心や思いがある。
リカバリーを評価され、よくやってくれた、よく頑張ったといえる。
そう思うようになったら随分肩が軽くなった。

失敗してもいい。上手くやろう、失敗しないようにしようなんて考えなくていい。
萎縮せず、力一杯思うようにやればいい。
失敗するからこそ次に続けることができる。
それを乗り越える行動ができるようになる。
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2017年04月20日

腹腔鏡手術のススメ

当院では避妊手術など腹腔鏡手術で行っていますが、まだまだ一般の飼い主さんたちの認知度が低いと感じます。
手術説明の時に開腹(お腹を大きく切る今までの方法)と腹腔鏡の話をしますが、ほとんどの方はご存知ありません。
腹腔鏡手術は人では、特に胆のう摘出では9割がた腹腔鏡で行われます。
なので「腹腔鏡」というコトバを聞いた方は大勢いらっしゃると思うのですが、それが動物でもできるということをご存知ない方がほとんどだと思います。
あるいは、動物に手術を受けさせるということが非日常的なので、じゃあ手術方法をどうするというところまで考えが及んでないのかもしれません。

腹腔鏡をやってる側からしたらとてもいい手術だと思うので、ぜひ多くの動物たちが手術を受ける時にこの方法が選択されるといいなと思っています。
どちらかというと開腹か腹腔鏡か、という選択ではなく、割と軽度な状態だったり正常な状態で手術を受ける場合は腹腔鏡、ちょっと重症になってきたら開腹という考え方だと思います。

手術の師匠であるH先生から聞いた話が印象に残っています。
例えばがん患者さんがいて、初期、中期、後期、末期と4段階に分けた時に真ん中の2段階は誰が手術しても上手くいく時は上手く行くし、転移を起こしてしまう場合は転移してしまう。
しかし、初期の場合は誰がやってもどんな方法でもほとんどの場合が結果は良好である。ならば、できるだけ患者さんに負担の少ない手術でやってあげれた方がいいのではないか。だから私は初期の患者さんには腹腔鏡でやることにした。

開腹か腹腔鏡かどっちだ、ではなくて、この場合は腹腔鏡、この場合は開腹が適している、という考え方が適切なんどろうと思います。
こんなことを一般の方にも広く知っていただけたらと思っています。
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2017年04月12日

第2待合&フードショップ

りんごの樹の待合室は開業した時のままなので6人しか座れません。
そんなこともあってフードをあまり置けなかったんですが、このたび新館に第2待合室を作りましたので、そこをフードショップと兼ねることにしました!
今までできなかったフードの陳列や、病院オススメの商品など並べていこうと思っています。
最小サイズしか病院に置いていなくて、それより大きいサイズは随時注文していただいてましたが、これからは大きいサイズも常備できるように致します。
外には自販機も設置しましたので、暑いこれからも涼しいお部屋でお待ち下さいね!

↓こんな感じ
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↓待合側は…
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第1待合とイメージが変わって明るいですね!

そういえば、狂犬病の集合注射が始まりました。
このあいだの会場は桜が満開!
お花見に行けなかったんでちょうど良かったです!

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2017年04月04日

新年度になりました!

さて、新年度が始まりました。
毎年この時期はいろいろやらなくてはいけないことが多く、今年も雑務に追われ、おかげさまで忙しく毎日を過ごさせていただいています。
そんな中でも、特に時間がかかるのが毎年飼い主の皆さんにお送りするダイレクトメールの作成です。
3月中旬にはお出ししたいといつも思っているのですが、今年も遅れに遅れ、先日やっと発送になりました。
もうすでにお手元に届いている方もいらっしゃると思いますが、今年も一生懸命作りましたので一読していただければ幸いです。

ダイレクトメールも開業当初はハガキに印刷してお出ししていました。
印刷は、近所の先生のところに簡易印刷機があったので、それを貸してもらって自分でやってました。
費用はハガキ代くらいだったのでそれほどかかりませんでしたが、ここ何年かは本格的なデザインをプロの方にお願いし、印刷や発送もそれなりに費用がかかるようになってしまいました。

何度も何度も校正し、やっと出来上がるのでそれなりに思い入れがあります。
昨日も手術をしてて思ったのですが、私はかなりの凝り性なので、できるだけ綺麗に、丁寧に、納得のいくように、これはいい点と悪い点がありますが、どうもそうなってしまいます。

丁寧な手術というのは「遅い手術」と言われ、外科の世界では決して褒められたものではないようです。
もちろん雑な手術は論外ですが、最低限の丁寧さで、ある程度のスピードがあることが大切で、スピードは術後の回復にも影響します。
一般的な仕事もやはりスピードが大切で、丁寧すぎるのも考えものです。
私の性格はちょっとしつこいところがあるので、これは反省すべきところですね。

けれど自分で自分をフォローしておこうと思いますが、私が自分の体を手術してもらう時、やっぱり丁寧にやってもらいたいので、多少時間がかかっても綺麗な仕上がりにしてもらいたいです。
幸い私たちが行う手術はそこまでスピードを求められる重症度の高いものも少ないので、綺麗さ、丁寧さも大切だと思います。

ブログが書けなかったこの数週間の間にも実に様々なことがありました。
今年度もなるべく頑張って書いていきますので、皆様にもお楽しみいただければと思います。
今年度もよろしくお願いいたします!
posted by もとき at 07:19| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2017年03月18日

突き抜ける!

日本では、いろいろな事がまんべんなくできる人より、何か一つに抜きんでた人の方が評価が高い。
今日も院長面談で看護師のAさんと話をしていたのだが、なぜ評価が高くなるのか考えてみた。
(りんごの樹では半年に一度、院長面談という院長とサシで話す機会がある。)

考えるに、需要と供給のバランスで説明できると思う。
まんべんなくできる人は案外多くいる。でも、何か一つに抜きん出た人は数が少ない。
だから、数の少ない人は評価されるし、病院からも大切にされる。
そりゃそうだ、彼(彼女)がいなけりゃ病院が回らなくなるんだから。
それができるのは彼(彼女)しかいないのだから。

病院から大切にしてもらえる人になりたいか?
あるいは、その他大勢の、特段その人でなくてもいい人になりたいか?
よほど天邪鬼でない限り、100人いたら100人が「大切にしてもらえる人」になりたいと答えるだろう。

次に、なぜ一つに抜きん出た人が少ないのか、と考えてみる。
一つに絞るのは勇気がいる。わかっていても、一つに絞りきれないのが普通であろう。
一つに絞れば、他の事は捨てなくてはならない。
一つに集中するためには時間、お金、手間をすべてそこに集約する必要がある。

日本式教育は減点法でなりたっているが、減点法だと平均点そこそこで無難にこなす事が大切になってくる。
特別に優れた才能があったり、卓越した業績を残す事より、これといった大きな欠点がなく、着実に無難に仕事をこなす事が求められる。
そういった環境で育てられた人間が、一点に集中して他をすてて取り組むにはなかなかの勇気がいる。

それでも私はうちのスタッフが病院から大切にされる人になって欲しいと心から願う。
自分にしかできない、他の人では代替えが効かない人になって欲しい。
普段の態度がどうだとか、意欲がどうとかついつい言いたくもなるが、ここなら任しとけ、という人だらけの「りんごの樹」が理想だ。
そういう人たちが「真剣」に取り組んだらきっとすごい事になる!
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2017年03月16日

伝えること

伝える事について考えてみる。
いくらいいものを作っても、伝えなければそれは無いものと同じだという。
作るだけではダメで、相手に伝わって初めて形になる。
最後の魂を入れるということかな。

いくら世界で初めての発見をしても、誰もそれを知らなければ全く意味が無い。
すごくいいことを考えても、誰もそれに関心がなければいいことにはならない。
だから、すごくいいものを作る時と同じくらい気を込めて伝えることが大事だという。

考えていることやアイデアを相手に伝えるのは実際かなり難しいと思う。
伝え方や話し方、表情や態度も全部関係してくる。
エスパーだったら伝えなくても伝わるからその辺の苦労はいらないね。
作るのが半分、伝えるのが半分。両方揃ってやっと一人前になる。

いいものを作れば、美味しいものを作れば、黙ってても自然と拡散していく。
最高の技術を磨けば、それを欲する人が自然と集まる。
真面目にコツコツやっていれば、必ず世間に認められる。
なんとなくそんな風潮というか教育がされてる感があるけど、それをどのように伝えたらいいか、という残りの半分のところがあまり考えられてないし、教えられてもいないんじゃないかな。

私たちの仕事でも同じだけれど、いい仕事(正しい診断と治療)をしていれば必ず飼い主さんに認められるわけでもない。
それを伝えて初めて認めてもらえる。
寡黙もいいけれど、私たちの仕事の半分は伝えることである。

院長の一番の仕事も伝えることである。

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↑最近読んでる本。
「へえ、こんな本あるんだ!」という感じ。
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2017年03月05日

学術研究発表会

本日は愛知県獣医師会の学術研究発表会で発表してきました。
会場は名古屋駅すぐ近くのウインク愛知。
とても便のいい場所にあるので助かります。

日曜ということもあり、結構人がたくさんいました。
普段は引きこもりのような生活で、ほぼ外には出ずにず〜っと病院の中にいるのでたまに外出すると疲れます。
24時間、病院から一歩も外にで出ないこともあるので、外が寒いのか暑いのか、雨が降ってるのか晴れてるのか、全然わからない、というか気にならないこともしばしば。
自宅が病院の2階で、通勤も階段を下りるだけなので尚更です。

最近思います。
あ〜つくづくこの獣医の仕事が好きなのかな〜って。
朝早くに急患を診たり、深夜に運ばれてくる患者さんがいたり、看取ったり、走り回ったり…
学生の頃から朝から晩まで動いてましたが、そんな生活が刷り込まれてしまったようです。

先日も患者さんのYさんとそんな話をしてました。
人並みに穏やかな生活がしたい、と考える先生もいるようです。
もちろん私もず〜と年がら年中走り回っているのはちょとどうかな、と思いますが、ザ・獣医、という感じのこの仕事が好きだな、と思います。

多分学生の時の過ごし方で人生変わるような感じでしょうか。
すべての人がそうではないでしょうが、少なくとも自分にとっては学生の時に研究室で過ごした時間が今も流れているような感覚です。
25年たっても変わらない時間感覚だから、相当なものですね。
まあ、それが私の生き様でしょうが、そんな出会いがあったことには感謝いっぱいで、運が良かったです。
たぶん自分の生き様がなかなか定まらない人もいると思うので、そういった意味では本当に運がいい方です。

話は戻りますが、三河安城まで病院から車で10分弱、三河安城から名古屋駅まで新幹線で10分ちょっとなので、接続がよければ30分かからずに名古屋に到着です。
発表の直前までスライドの訂正していてギリギリの到着でしたが、なんとか発表も滞りなく終えてきました。
内容はいつもの腹腔鏡ですが、あまり質問がなかったので少し残念でした。

「ペットにも腹腔鏡!」キャンペーンやろうかな、と考えています。
もっと多くの方に関心を持っていただけると、動物たちも幸せかなと思います。

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2017年02月27日

低侵襲ということ

今回は、りんごの樹で特に力を入れている腹腔鏡手術に関してお話ししたいと思います。

人でも動物でも、検査や治療を行うときに本人に負担の少ない方法でできればそれに越したことはありません。負担が少ないことを「低侵襲」と言いますが、腹腔鏡手術はその代表格です。体に傷をつけずに体内を観察できる超音波検査やレントゲン検査、CT検査も広い意味では低侵襲な方法と言えます。これらの他に低侵襲な方法として消化管内視鏡(いわゆる胃カメラ)、胸腔鏡、関節鏡などが挙げられます。いずれも最近の技術の進歩とともに開発されたものであり、現代の医療にとって無くてはならないものとなっています。

昔はお腹を大きく切って病巣を観察したり切除したりしていました。有るか無いか分からない、どうなっているか見当もつかない、等のときに試験的にお腹を切ることを「試験開腹」と言います。今でも行わない事は無いですが、できれば痛くない方法で確認ができ、さらに治療までできれば尚いいですよね。

もし自分がどこか痛くてお医者さんが原因を突き止められないとき、「試しにお腹を開いていいですか?」と言われたらどうでしょう?痛い思いをして、原因が突き止められなかったら最悪ですよね。お腹を切らなくても分かる、ほんの少しだけの傷で大きく切った時と同じ治療ができる。人の医学ではほぼ当たり前になっている方法もまだまだ動物では一般的ではありません。

5mmとか1cmの傷で10cmとか20cmとか切った時と同じ治療ができる。むしろ、大きく切開した時よりも比べ物にならないほど安全で清潔な手術ができる。そんな夢のような手術方法が腹腔鏡手術です。

私の肺に影が見つかり、ひょっとしたら胸を開いて病巣を切除しなくてはならないかも、と言われた時、まっさきに頭に浮かんだのが術後の痛みでした。聞けば、胸を大きく開いた時はその痛みが半年以上続くそうです。その後も腕を挙げたりする時に痛みが走り、ずっと長いあいだ苦しみが続くと聞きました。自分だったらそんなの耐えられないです。胸腔鏡でやればそういった痛みもなく、ゼロではないですがとても少ない術後痛だそうです。動物たちは言葉が話せません。痛そうにしてないから大丈夫だろう、泣き叫んでてもそのうち治るだろう、そう私も以前は思っていました。でも、本当はそうではないのです。彼らは痛みを顔に出さないだけで、本当は私たち人間と同じように辛い思いをしているのです。最近の研究でそんな裏付けが発表され、それに伴って自分の経験も手伝い、私はできるだけ侵襲の少ない、痛みの少ない治療法をという思いから腹腔鏡手術を行っています。

愛知県内でも腹腔鏡手術をうたっているところは数件の動物病院です。しかも、実際に実働しているところは私の知るところわずか2-3件しかありません。人では胆石の手術の9割以上が腹腔鏡で行われるこの時代に、動物たちはいかに昔ながらの痛い方法を強いられているのかと切なくなります。まだまだそういったことも知らない獣医の先生も多いのが現状です。昨年には中部地区での腹腔鏡手術の勉強会を立ち上げ、少しでも多くの動物たちが痛みの少ない手術を受けられるようにと活動を始めました。

ここでは実際の腹腔鏡による犬の避妊手術を説明したいと思います。一生のうちに一度しか受けない手術ではありますが、だからこそ愛するペットに痛みの少ない手術を選択してあげて欲しいと心から願っています。

下の図は犬のお腹を下から見た図ですが、お腹の中では卵巣や子宮がこのようにぶら下がっています。赤い部分は血管です。四方八方から血管が伸びていて、手術ではこれらを全て糸で結ぶか、専用の機械で血管を塞ぎます。腹腔鏡手術ではこれらの操作をお腹の中でやりますが、開腹手術では臓器をお腹の外に引っ張り出してやる必要が有ります。したがって、上から下まで大きく切る必要が出てきます。
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実際の開腹手術の切開創はこのような感じになります。
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その切開創からこのように卵巣と子宮の一部を引き出して手術を行います。
引き出し時には神経も引っ張られるために非常に大きな痛みが起こります。その痛みは麻酔がかかっていても動物の心拍数が上がるほどです。左右の卵巣を摘出し、場合によっては子宮も全て摘出します。大型犬種では引き出し時に十分体外に牽引できず、卵巣を一部取り残してしまったり、あるいは無理に糸で結ぶために糸が緩んで大出血を起こす事故も報告されています。
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開腹手術を行った実際の手術後の縫合部の様子です。この子は10針縫いました。
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一方、腹腔鏡の切開創はこんな感じです。
開腹手術と比べると極めて小さいのがわかると思います。
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腹腔鏡ではこのように直径2mmや1cmの非常に細い器具を使用して、お腹の中で手術を行います。皮膚の切開がとても小さくて痛みが少ないことももちろんですが、臓器を強引に引っ張ることがないため痛みや取り残し、血管の引きちぎれなどの事故は皆無になります。また、出血も極めて少なく、信じられないかもしれませんがほぼ無出血で手術を行うことができます。
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実際の腹腔鏡手術後の縫合部です。
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このように腹腔鏡手術は非常に低侵襲で合併症も少なく、開腹手術よりも安全で優れた手術方法だと思います。難点を挙げるとすれば、費用が通常の開腹手術に比べ数万円ほど割高になることです。しかし、良い点を考えれば十分価値のある費用だと思います。
私が手術を受ける立場になったら、間違いなく腹腔鏡手術を選ぶと思います。でも動物たちは残念ながら自分で手術方法を選択することができません。飼い主の皆さんが選んであげるしか、彼らがその恩恵を受けることはできないわけです。是非とも大切なワンちゃんに腹腔鏡手術を受けさせてあげて欲しいと思います。
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2017年02月12日

元紀の由来

昨日は建国記念の日。
昔は紀元節と言われていたそうです。
11日が私の出産予定日だったそうで、父は紀元節を逆さまにして元紀と名付けてくれました。
予定日から二日遅れて13日に生まれました。
明日で私も50になります。

今までの50年、そしてこれからの??年。
どんな風に過ごしていこうかいろいろ考えます。
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2017年02月07日

魑魅魍魎

昨日、看護師のI君と話をしていて、思い込みの話になった。
思い込んでいる、と本人は思っていないけど、うまいことそう思わされていることは実は沢山ありそうだ。
たま〜に真実らしきことがチラホラ見える時があるけれど、テレビコマーシャルや道徳とかで「人はこうであるべき」とか「こんな素敵なものがあるんですよ」と紹介されるとそれが欲しくなったりする。

ある方がブログで、教育の目的、目標は夢であって、教育を受けることで今まで叶わなかったことが叶うようになる、できなかったことができるようになる、知らなかったことがわかるようになる、とかそういうことで、教育を受けていい高校、いい大学に行けば高所得につながるとか高収入に繋がるとか、そういうことではないと綴っていた。実は高所得、高収入を得るために教育なんてそれほど必要なく、高収入の秘訣は奪うこと、ズルをすること、嘘をつくこと、暴力であり、これらの方がはるかに教育よりも高収入につながる、という。

これは本当か、そうではないか、という議論をするつもりはないし、こういう考えもあるのだな、と読んだ当時は思ったが、なかなかインパクトのある文章だった。だから記憶に残っているけれど、今思えば「高収入とか高所得がなんとなく良いもの」と捉えられているが、それ自体も怪しいもので、じつはそういう暗示にかけれられているだけでそうではないのでは、という話になった。

確かにある程度の収入、所得があれば自由に生活できるし、欲しいものが手に入る、ような気がする。ある程度の収入があった方がいいと、おそらく100人いたら100人そう言うだろう。でもちょっと考えてみれば、所得が多くて一番得をするのは誰だ?と考えた時、一生懸命働いて自分の時間を削って徹夜して、ボロボロになって本人はその報酬を手に入れるけど、何もしないでその一部をかすめ取って「奪って」いくのはじつは国であって、税金は納めるもの、払うのが国民の義務であってそれをしないと国が運営できなから支払いましょう、ということになっている。これは先の話からいうと奪っていることに他ならない。

税金を払いたくないとか、そういうことを言いたいんじゃなくて、奪ったり人をだましたり、そんなことNGに決まってるじゃん、と決めつけていたけれど、世の中にはどうも自分が気付いてないだけで、そういったことがじつはウジャウジャありそうだ。それが現実で、それを表立って肯定するわけではないが、実はそういうことなんですよ、と捉えることでまた違った社会とか世の中の一面が見えてくるような気がする。

世の中には魑魅魍魎がすみついている、と高校の時の先生がおっしゃっていたことを思い出した。真実はなんなのか、思い込んでいるだけではないのか、実は洗脳されている?友人のブログを読んでいて、ずいぶん思い込みが激しいな、と感じることがあるが(このブログもそういった側面が多々あると思うし、どう考えるかはその本人の感じ方であるからそれはもちろん自由であるが)、もっともっと広い視野で見ることでいままで当たり前だと思っていたことが、実はどうでもいいことだったりするのかもしれない。
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2017年02月06日

最後

最後を迎えるのはどこがいいか。
動物も人間も、生まれるのも死んでいくのも、大好きな人たちに囲まれながらが一番いい。

残念ながら、治療の甲斐なく亡くなる動物たちがいる。
病気や怪我から助けるためにこの仕事をやっているが、無力感を感じることはどうしてもある。
そんな時、ついつい考えるのは最後を迎える動物たちの心のこと。

病院が嫌いな子は多い。
注射や治療で痛い思いや苦しい思いをするからだろうと思うけど、診察台の上でブルブル震える子は多い。
そんな嫌なところに治療のためだと入院させられて、彼らはどんなに心細く、不安で、怯えているだろう。

看護師さんたちが笑顔で、優しく、名前を呼びながら一生懸命面倒を見てくれる。
中にはすごく信頼してくれて尻尾をブンブン振ってくれる子もいる。
頭をよしよしと撫でて、顔をきれいにしてあげる。

最近はすごく高齢な動物たちも多い。
懸命に治療するがどうしても力足りず、もう亡くなってしまうかもしれない時、できるだけお家で過ごしてもらうよう、飼い主さんにはその子とできるだけゆっくり過ごしてもらうようお願いする。
でも、治療は最後まで諦めたくない。
少しでもいい治療、楽になるなら、体調が良くなるならしてあげたい。
そのために考え付いたのが日中は病院で治療して、夜は家族と一緒に過ごしてもらうこと。
半分入院で半分通院。

飼い主さんは現実を受け入れられないことも多いが、悲しいかな長くこの仕事をしてるともう難しそうだなとか、最後はこんな感じになるな、ということが何となく分かるようになる。
最後をできるだけ安心して、大好きな人たちに囲まれて迎えられるよう、静かに穏やかに迎えられるよう心がける。
治療して治せればそれに越したことはないけど、どうしてもかなわない時にはそんなことを考えるようにしている。

自分がそうだったら、やっぱり家族に囲まれていたいから。
家族がニコニコ笑って過ごしている隣で、自分もニコニコしながら最後を迎えたいから。
その子にとって、治療はできなくても心を穏やかに、幸せにしてあげることはできると思う。
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2017年02月03日

プロの獣医になる、ということ

プロフェッショナルとはどういう状態だろうかと考えてみた。
プロの獣医とは?

なんとなくだけれど、技術が素晴らしくできる獣医というイメージがあった。
だけれど、ただ単に技術が素晴らしければプロフェッショナルと言えるだろうか?
プロはお客さんが呼べて初めてプロフェッショナルではないだろうか?

体操で金メダルを取った選手がアマチュアからプロになると言った。
同じように、陸上の選手もプロになった。
イチローがプロであるのは間違いない事実であるが、彼がプロとして最高クラスなのはその技術はもちろん世界トップクラスだろうが、大事なことは彼のプレーを見てお金を払ってくれるお客さんが大勢いるということに他ならない。

大勢の人に求めていただくこと。そしてそのニーズにきちんと答えられること。
この二点がプロである大切なことであり、技術はその手段である。

求めていただけないのであれば、その時点でもうプロとは言えない。
プロの獣医であるために、何をすべきなのかを考えることが大切だと思うし、そういった教育を大学でもきちんと受けて卒業してくることが必須だと思う。

これは臨床歴30年の自分にも言えること。
初心忘るべからず。
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2017年02月02日

常識と非常識

業界の常識は世間の非常識という。
先日も、ある方にそう言われたのを思い出した。

動物病院で、獣医師が10名前後所属していたり、CTがあったり、病院の大きさがウチくらいだったりするのはそう多くはないけど、それほど珍しくもない。
ところがその方は、こんな病院見たことない、と目を丸くして言われる。
まあお世辞の範疇なのかなと思い、業界ではそれほど珍しくはないですよ、と言うと先の言葉を言われた。

そこにいれば当たり前、そんなに珍しくはないと思っていても、一般の方からみればとんでもなかったりすることがある。
だから、自分の立場だけで話をしてると、相手に伝わらなかったり勘違いが起きたり、相手の気持ちがわからなかったりすることが起きるのだろう。

相手の気持ちになって考える、相手が何を求めているのか、どうして欲しいのかを考える時、自分が常識だと思っていたことが実は相手にとっては非常識なことかも?と考えることが必要なのかもしれない。
posted by もとき at 11:27| Comment(2) | TrackBack(0) | 日記