2016年11月11日

私の世界観

何度かこのブログでも書いてるので知ってる人も居ると思いますが、数年前、健康診断の肺CTで腫瘤が見つかりました。
前の年、初めて健康診断を受けて「健康そのもの」でどの数値も正常だったから、今回も大丈夫だとタカをくくっていました。
そうしたら検診を受けた病院からわざわざ電話がかかってきて「陰があるからなるべく早く受診して下さい」と。
えっ!まさか!自分が肺がん!?
当時たばこも吸っていましたが、まさか自分が病気になるなんて思ってもいなかったから本気で焦りました。

電話のあった日から心配で眠れなくなりました。
ネットで一晩中「肺がんの生存率」を調べたのを覚えています。
2年先に生きている確率は腫瘍が小さければ90パーセント。

治療する側からすれば90%はかなりの確率で生きている、と考えますが、患者からすれば1割の確率で死ぬんだ、と思いました。
子どももまだ小さくて、成人するこの子達を見る事ができないんだ、と思いました。
家族の大切さ、健康の大切さ、仕事の価値観、生きているということ…
本当にいろいろな事が頭の中でグルグルまわって、何度も何度も同じ事を考えました。
自分は死ぬんだ、と。

本当に癌だったら仕事を辞めて、病院を売って、家族と船に乗って世界一周旅行に行こうと考えました。
少しでも家族と一緒にいたい、一緒の時間を過ごしたい、と考えました。
大きくなったこの子達を見る事ができないかもしれないけれど、今できる事を考えよう、と思いました。

動物が肺がんになったらどうやって死んでいくのか知っていたので、自分もああなるんだという思いがとてもリアルに感じられました。
咳が止まらず、やせ細り、呼吸が苦しく、どんなに空気を吸っても体に入ってこない。
そんな事を考えていたら、仕事をしてても身が入らず、集中できず、考えられないようなミスもしてしまいました。
いまでも後悔しています。

そして、そんな不安でたまらない状態で全ての予定をキャンセルして、病院にいって話しを聞きました。
11時に来てくれと言うので少し前に行きましたが、待合室はごった返していてすごく混んでいました。
仕方がないので待ちましたが、やっと呼ばれたのがそれから2時間後、お昼はとっくに過ぎていました。

中に入るとまだ若い医者が座っていました。
男性の医者でしたが、まだ20台で大学卒業して数年しか経っていないようでした。
さんざん待たされてちょっとイライラしてたし、自分がすごく不安な事もあって、まだ外にはたくさんの人が待っていましたが、いろいろな事を聞きまくりました。
どういう可能性があるのか?どうやって診断していくのか?
検査で怪しければ脇を切って、肺を一部取りだし、術中生検で病理診断し、リンパ節まで行ってれば完全開胸して全部取る。
全部取ったらどのくらい苦しいのか、そうなったら運動はできるのか、もう泳ぐ事もできないのか、などなど…
おそらく30分以上聞いた覚えがあります。

私なりにいろいろ調べて行きましたし、臨床の経験はその医者より私の方が多かったし(人と動物の差はありますが)、本当にいろいろな事を聞きまくりましたが、一つ一つ丁寧に、慌てず、せかす事なく、嫌な顔ひとつせず、その若い医者はしっかりと答えてくれました。

昼ご飯もまだ食べていなかったでしょう。外にはまだまだたくさんの患者さんが待っていた事でしょう。
少しくらい急かしたり、面倒くさそうなそぶりを見せても何の不思議もありません。
朝からずっと診察しててずいぶん疲れていた事でしょう。
いまから思い出せばそういった事があっても何の不思議もない状況だったのに、その医者は誠実にきちんと対応してくれました。

長いこと質問し、私が治療する側だったらやはりそうするだろうな、という事を答えてくれ、全てに納得し、それまで心配で不安でたまらなかった私は、少しだけ安心する事ができました。
この医者なら任せてもいい、そう思えました。
若いけど信頼できる。
経験とか、技術とかもちろん大切です。
ヤブだったらとんでもない事です。

でも、その前に不安で不安でたまらない患者の疑問や質問に丁寧にしっかり答える事。
逃げる事なく正面から向き合って納得いくまでとことん話しを聞いてくれる事。
この医者に会って、私もこんな診療がしてみたいと思いました。

りんごの樹動物病院にかける私の思いはここに集約されます。
ここに私の価値をおいています。
私の世界観はここにあります。

とにかくしっかり説明する事。
そのためには必要な検査をしっかりする事。

これから少しずつ私の世界観を書いていこうと思いますが、少しでも分かってもらえたら嬉しいです。

お休みを戴いてハワイ島に行ってきました。
オアフには立ち寄らず、ハワイ島(ビッグアイランド)コナの近くに宿泊し、自然に囲まれて自分を見つめ直してきました。
私は何をしたいのか?何に価値をおいているのか?
そんな中で浮かび上がってきたのがこの話です。
とことん話しを聞く。とことん説明する。
そんな病院を作るのが私の使命だと改めて気づきました。

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2016年10月25日

学び!

りんごの樹では定期的に外部講師を招いて院内セミナーをやっていますが、先日は大学の先生に来ていただき、整形外科のお話をしていただきました。
また、その数日後、今度は企業の学術担当の方に来ていただき、新製品のお話とすでにでている製品のアップデートのお話をしていただきました。

私個人はといえば、日曜はほとんどセミナーや学会に出席で、常に新しいことを学び刺激を受けています。
一昨日も名古屋セミナーがありましたので、午前中に診療を急いで片付け行ってきました。
新幹線だと10分で行けるので便利になったものです。

こうして常に最新のこと、知らないこと、分からなかったことを学び続けていると成長感が半端ないです。
もともと、それほど勉強が好きな方ではないですが、実践に役立つ知識や技術はどれだけ研ぎ澄ましても上限がありません。
根っからの職人気質ですね(笑)

今後は、こうして学んだことや知識を、ぜひ飼い主の皆さんにお伝えしていきたいと考えています。
りんごの樹の飼い主様向け教室を開催したいと考えています。
内容はデンタルケアやシニアケアのこと、普段皆様からご質問いただく様々なこと。
講師は院長です、もちろん!(汗)

座学だけでなく、手や体を動かして学んでいただけたら嬉しいです!
できたら、今年の間に…
とは思っていますが、難しかったら遅くとも冬の間に1回開催したいと思っています。
乞うご期待下さいませ!

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みんな、真剣に聞いています!

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名古屋駅前。ビルが新しくなって、秋空とコントラストが映えますね!
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2016年10月14日

開院18周年!

おかげさまで、りんごの樹動物病院は平成28年10月12日で開院18周年を迎えることができました。
ここまで何とかやってこれたのも飼い主の皆様、スタッフのみんな、そして家族のおかげだと感謝しています。
ありがとうございます!

りんごの樹動物病院の開院は平成10年10月12日です。
ほんとは10年10月10日だと語呂が良かったんですが、たぶん日柄が悪かったか何かで12日にした覚えがあります。
10日には内覧会を行ったと記憶しています。

父が親戚を呼ぶと言い出し、確か午前中に一般の方の内覧会を行って、午後から親戚の方々に来ていただいてお祝いを振る舞った記憶があります。
あの頃はまだ私も若かった!
写真を見ても随分痩せてスマートでした(笑)

はじめの頃は患者さんもまばらで、それほど忙しくありませんでした。
朝一番と昼前にちょこっと忙しいくらいで、10時ごろは患者さんもいらっしゃらなくてみんなでお茶してました。
その頃は第2診察室がまだ「処置室」兼「手術室」兼「休憩室」だったので、診察台の上がお茶飲み台でした。
のんびりしてた時代でした。

そのうち忙しくなってきて診察時間中にお茶する暇も無くなってしまいましたが、そのくらいの余裕があった方が良かったのかもしれませんね。
今は「こうでなくてはいけない」と杓子定規に考えるようになってしまって、診察中は舞台に立っているのと同じだからおしゃべりはもちろんのこと、お茶すらすべきではない、と四角い頭で考えています。

「なあなあ」のだらしないのは論外ですが、締めれば締めるほど余裕が無くなって逆に堅苦しくなるのかもしれません。
みんなが一つの方向に向かっていればそんなこと言わなくたってしっかりやっていましたからね。

たまにはこうやって反省するのもいいかもしれません。
いいところ、良かったところ、今に、そしてこれからに活かせるようにバージョンアップしていきたいですね!

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2016年10月07日

人のこころ

満足するとはどういうことか?

ちょっと調べてみると、顧客満足は「期待<感動」であれば満足し、「期待>感動」ならば不満になるという。
顧客満足度を高めるには「感動」を大きくし、「期待」を小さくすること。
感動を大きくするのはわかるけど、期待を小さくするのはどうやって?

わかりやすく言うと、過度な期待をさせないこと。
いいことばかりを言わない、デメリットもきちんと説明する。
そんなこと聞いてなかった、説明がなかった、というやつだ。

では一方、従業員満足とはどのようになるか。
これもちょっと調べてみると、マズローの要求5段階説でうまく説明できそうだ。

給料が極端に安かったり、労働条件が極めて悪ければ、いくらモチベーションを持って働けと言っても響くはずもない。
人間関係が悪くても満足度は上がらない。
そして、次に来る「認められている」「関心を持ってくれている」という承認要求が満たされることが、自立して動く、自分から能動的に目標をもって動く、という自己実現を達成しようとする行動に結びつく。

「よくやってるね」「ありがとうね」「助かるよ」
褒めるということでなく、認める、承認する、関心をもつ、ということ。

はてさて、私はリーダーとしてどうだろうか?
こうやって整理してみると点と点が結びついて、いろいろなるほどなあ、ということになってくる。
考えさせられる1日でした。
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2016年10月02日

学会参加!

先日、新横浜で開催された「日本胆道学会学術集会」に参加してきました。
これは人の医学会で、胆道(肝臓についている胆嚢から十二指腸への通路)だけについて語る非常にマニアックな学会です。
どちらかというと内科の先生が多い印象ですが、外科の話も出てきます。

私が今、盛んに興味を持って取り組んでいるのが胆嚢、そして肝臓であるので、こういったところにも顔を出して学んでいます。
いや、それにしても医学の世界は厚いです、層が。
獣医なんて比べものにもなりません。
100分の1とか1000分の1という感じです。

アメリカの獣医学が進んでいるということで、われわれ日本の獣医は彼らを目標に学んできました。
腹腔鏡もアメリカでは先進的に行われていますが、当たり前かもしれないけれど医学のレベルからすれば雲泥の差を感じます。
腹腔鏡を学びに海外に行くこともありますが、国内にいながらこういった非常にハイレベルな話を学べるのはとても刺激的です。
遠いといっても名古屋から横浜まで2時間かかりませんからね。

今回もいろいろな学びがありました。
明日からすぐに役立つというものではありませんが、医療に対する心構えとか取り組み、考え方など多くの収穫がありました。
書籍も何冊も購入してきました。
また次のステップに進めそうです!

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2016年09月25日

準備!

先日受講した「ペット災害危機管理士」の4級に合格しました!
こんな資格があるということさえ知りませんでしたが、受けてみて「なるほど!」と思うことが多かったのも事実です。
以前ブログにも書きましたが、いざ停電になるとアタフタしてしまうのが実際です。

この辺りはいずれ東南海地震が来る、必ず来る、と言われています。
そんな時、いち獣医師として、またりんごの樹の院長として災害危機の対処の仕方を学んでおくのは良い機会かなと考えています。
いろいろな所でいろいろな話を聞いて、それとなく準備はしていますが、おそらく実際に起きたらパニックになってしまうでしょう。

まずは自分、そして家族、従業員、お客様の安全確保が第一だと思いますが、そこからさらに動物たちの安全確保、避難先での対応、自治体への働きかけ、持病の継続治療と災害での外傷や心の問題への対応、そしてさらにはペットたちが一緒に被災者といることで人間たちの心が癒されるなど、国(環境省)がペットと共に避難することを推奨しているということからも、私たちのするべきこと、できること、人の役に立てることがたくさんありそうです。

まだ4級なんで、どんどん上を目指して(機会があれば…)準備をしていきたいですね!

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2016年09月20日

言葉と戦わない!

先日、あるセミナーで講師の先生が興味深い事をおっしゃっていたので紹介しようと思う。
それは「言葉と戦わない」ということ。

人はついつい本心ではない事を口にする。
本当は悲しいのに、怒りの言葉を発したり。
本当は嫌なのに、分かりましたと言ってしまったり。
本人はわざと本心と違うことを言っているわけではなく、無意識に言葉を発している。

しかし、言われたこちらは額面通りに受け取ってしまう。
ああ言ったからこう返す。
ああ聞かれたからこう答える。

受け取る側からすれば一見正しい行動に見えるが、そこが人の心の難しいところ。
本当はどこに本心があるのか?
本当は何を望んでいるのか?
言葉通りに受け止めず、その奥にあるところに意識を向ける。

ウォンツとニーズのところでも同じようなことを書いた。
そのお客様の抱える問題をどのように解決できるのか。
機能の説明をしがちになるのは、言葉を額面通りにしか捉えてないから。
このお客様は何を解決したいと考えてらっしゃるのか?

言葉に囚われず、心に共感していけば潜在意識を感じることができる。
きっと感じることができる… と思う。

最近、「感情」とか「心」とか「共感」とか、そんなことに興味深々なので、何気ない講師の言葉が胸に刺さった。

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2016年09月18日

共感の達人!

最近、心理学を学んでいる。
ビジョン心理学。
聞いた事がある人もいると思う。

一概に心理学といっても、いろいろな流派がある。
フロイト、ユングなどが有名だ。
最近ではアドラー心理学などが流行りかな?

ビジョン心理学は例の「脱俺セミナー」からの流れでもある。
人の成長に従って「依存」「自立」「相互依存(共同創造)」とあり、それぞれのステージにワナと抜け道がある。
自己分析すると、いまの私は自立のあたりをうろうろ、行ったり来たりしている感じ。

この間、北海道に行った時にD君がスタッフのIさんに対して「こうして欲しい」という一覧を作ってきた。
しかし、そこには「コントロール」したい思いがいっぱい、と感じた。
自立の中で陥る「ワナ」であり、それが悪いわけでも良いわけでもないけれど、それに囚われていると先には進めないらしい。

脱俺セミナーで知っていたけど、ここにきて「目の前の人が悩んでいるそのものに、あのビジョン心理学の三角形があてはまるのか!」という驚きがあった。
わかっていたつもりだったけど、頭から完全に消えていた。
さっそく、家に帰ってから前に購入してたビジョン心理学の本を引っ張り出してきて読み直している。

購入当時は勢いで買った事もあり、読んでもさっぱり興味がわかず書庫にお蔵入りだったが、読み返してみるとこれが面白い。
今私の直面している問題や今までの心の流れ、どうやったら解決していくのか、どうしたら次に進めるのか、簡潔に示されている。

21世紀は日本も自立の終盤を迎えデッドゾーンに来ているという。
自らの命を絶ってしまう人が多いのも、行き詰まり感が支配しているからか?
「手放し」とコントロールを手放した「信頼」が「コミットメント(完全に与える)」に終息する、とビジョン心理学では考えるようだ。
どんどん抱え込んで両手がいっぱいになってしまったら、それらを手放して信頼しよう。

なかなか手放せなくて、ここから抜け出せなくなってしまう。
ぐるぐる回って、自分を見失う人も多い。

自立のステージでは自分の「感情」を選択する事が大切だが、ついつい他人のせいにしてイライラして怒鳴り散らす事も多いという。
ここから俺様院長が誕生してしまうんですね!

自分の感情の選択責任と他人に対する「共感」。
これがとても大切だという。
共感は男性よりも女性の方が得意とのこと。

早速、amazonで共感に関する本を購入した。
共感の達人になろうと!
なんか、また面白くなってきた!

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2016年09月13日

産休!

9月10日をもって副院長の加藤奈央先生が産休に入りました。
彼女は新卒でりんごの樹に就職してくれて、この間結婚、そして産休に…
2011年春に入社なので5年半頑張ってくれました。

10月出産予定なので、元気な赤ちゃんを産んでくれることを願うばかりです。
来春から徐々に復帰し、来年の10月頃をめどに完全復帰予定です。
とは言っても家庭もあるし、子供の育児もあるし今まで通りとはいかないと思いますが、できる範囲で頑張ってもらえたら嬉しいと思います。

彼女の凄いところはほとんどツワリとかで休むことなく、通勤してくれたこと。
もちろん人それぞれにツワリが酷いとか軽いとかあると思いますが、ほとんど休みなくやってくれました。
ありがたいことです。

彼女の結婚式に彼女のお母さんが冗談交じりに彼女のことを褒めていました。
お転婆だけど根性がある。
本当にそうだな、と思います。

誰しもが彼女のようになれるとは思いませんが、女性獣医師の一つの道だと思います。
昨今は女性の獣医師が増えていますが、見ていると多くの人たちが結婚してそのまま獣医師業を辞めていくように思います。
出産後に受け皿がないのかもしれません。
聞けば、ある企業病院では妊娠したら退職を迫られるから子供が欲しくても作れない、という話を聞いたこともあります。

今時そんな時代遅れな考えもあるんだなあと思いますが、その人にはその人の考え方があるのかもしれません。

りんごの樹には出産して復帰している看護師さんたちが大勢いますが、皆すごく病院のことを思ってくれる素晴らしい女性ばかりです。
共感力がすごく上がるんだと思います。
院長としても、結婚退職して出産し、その後でまた働きたいと戻ってきてくれるのはとても嬉しく思います。
大きな愛を感じます。

もっともっと働きやすい環境が作れたら素晴らしいと思います。
そんな環境をこれからもどんどん伸ばしていきたいと思います。
加藤先生、大変だと思うけど頑張ってね!

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2016年09月09日

危機管理!

先日、雷が送電線に落ちてこの辺りが一斉に停電になった。
普段停電になっても一瞬で回復するので、今回もじきに復旧するだろうとタカをくくっていたが一向に電気がつかない。
ちょうど午前最後の診察が終わったところだったので、院内に多くの患者さんが残っていなかったのも幸いであったが、真っ暗の院内で右往左往するスタッフがプチパニック状態だった。

バラバラに動くスタッフを集め、まず確認しなければいけないこと、対応の優先順位を決め、人を割り振って組織的に動くよう指示した。
診察台を対策本部(ちょっと大げさ)と決め、情報を集めてそこに集約するようにした。
そうはいってもこんなこと初めてなので、みんな思うように動けない…

電話は通じない。
ネットも通じない。
パソコンも動かない。
冷蔵庫も温まってくる。

予約はどうする?
連絡はどうやってつける?
冷蔵の薬品はどうする?
そもそも診察はどうする?

災害時や救急時の備え、対策、訓練の必要性を感じた。

静岡の友人は先の大震災のあと自家発電装置を導入したと言っていた。
その額、なんとうん千万…
その時はなんと大げさな!と思ったが、いざこういう状況になると「もしあれば…」と考えてしまった。
でも、このあいだ大型機械を導入したばかりで全く余裕が無いし(涙)

しかし、ちょっとした懐中電灯やラジオはすぐにでも用意できる。
飼い主さんたちにも予約情報を朝一番で印刷しておいて連絡などすることもできる。
少なくともその用意はしておかなければいけないし、訓練や役割分担も必要だ。

実はその数日前に「ペット災害危機管理士」の講習を受けたばかりだった。
頭ではわかっていても、いざとなったらなんの準備もできていなかった。
反省…

うちのスタッフ全員で取り組んでいくべき大切なことがわかった!
ピンチはチャンス!
これを機会に取り組んでいきたいと思う。

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2016年09月05日

学びの継続

昨年、大阪に通った「脱・俺様院長セミナー」。
友人の先生のフェイスブックで紹介されていて、そのネーミングに興味が湧いて参加した。
院長はいかに俺様なのか、なぜイライラするのか、その心理はなんなのか…
そんなことを学ぶ3ヶ月だった。

ここで学んだことは今でも私の心情に生きているが、知り合った人たちとの友情も脈々と続いている。
獣医以外の歯科の先生。
また、そこから続く医科の先生。
動物病院は比較的狭い世界なので、異なる医療の世界や考え方、取り組みを教わるのはとても刺激になる。

舞鶴・竹屋町森歯科クリニックの森先生は脱俺セミナーの校長先生という肩書き。
本も何冊も書かれていて、多くの取り組みをされている。
動物病院の業界ではあまりこういった人はいない。
歯科や医科の業界の層の厚さを感じるところだ。

先日、脱俺セミナーの同窓会があり北海道に行ってきた。
温泉に入って美味しいものを食べ、そして語り合った。
最近の取り組みや悩み、そして未来。
業種の違う人たちと寝食をともにして話合うことなど普段ないので、大いに参考になった。

帰りには森先生の新刊にサインをいただいた。
口腔衛生の重要性が説かれているが、人だけでなく動物にも十分応用できる内容だ。
飼い主とペットの口腔内の細菌叢が似ているなど、人も動物も口の中の健康には大きな関心を寄せるべき。
まだまだやらなくちゃいけないことが沢山ある。

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2016年08月30日

思い違い!

先日、福島文二郎さんのお話を聞く機会があった。
福島さんは長らくオリエンタルランドで働いていらして、ディズニーの教育メソッドにお詳しい。
その中で、目から鱗のお話があった。

ホスピタリティとは?
ホスピスとかホテルと語源を同じにする言葉で、「巡礼者を保護する」というところからきている。
これは以前から知っていた。

現在では「おもてなし」とか「思いやり」とか訳されるが、私はお客様に対するものばかりだと思い込んでいた。
お客様をもてなす。
お客様を思いやる。
医療はホスピタリティが大切である。
患者様を思いやる、患者様に対するホスピタリティが大切である。

ずっと、患者様のことばかり考えていた。

ところが、福島さんの話の初めに出てきたのが
「ホスピタリティとは相手に対する主体的な思いやりである」
「お客様だけでなく、人との関係において大切なもの」
という文章だった。

したがって、ホスピタリティとは学校や家庭でも発揮すべきもの。
職場でも、職員どうしのホスピタリティが発揮されるべき。
思いやりが大切!

ああ、何ということか!
今気づいた!
ホスピタリティを大切にした病院を目指していたけれど、お客様の方は向いていたけれど、スタッフに対するホスピタリティとは全く気づかなかった!

スタッフは想いを同じくする病院の仲間だから、厳しく、叱って、怒って、患者様のことを考えよ!ホスピタリティあふれる病院にしよう!とずっと言ってきた。
でも、全く勘違いだったことにやっと気づいた!
なぜ、いままで気づかなかったのか?

人との関係において大切なもの。
相手に対する思いやり、それが私の「ホスピタリティ」だった。
そういえば、リッツカールトンのクレドにも書いてある。
私たちが紳士、淑女である。
それは、思いやりをもった大人として、お客様にも、スタッフ同僚にも、家族にも、すべての関わる人に対する「心」という意味なんだな。

自分がつくづく幼稚に思えてきた。
でも、気付けて良かった。
関わるすべての人に「思いやり」を持って「ホスピタリティ」をもって接しよう!
ほんと、チーン!な私です(涙)

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この本にも助けられた!
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2016年08月23日

元気がでるね!

家族で沖縄に行ってきた。
子供の夏休みに合わせていくので料金がとにかく高い。
そして、どこに行っても混んでいる (^^;)

沖縄は大好きなところ。
海は綺麗で、潜ってても明るくキラキラしてる。
日差しが強いから色のコントラストがすごい!
サンゴと熱帯魚と光が眩しくて、綺麗で、時間を忘れる…

沖縄の食べ物も大好き!
泡盛もいいし、沖縄民謡も好き!
グルクンの唐揚げ、あぐー豚のせいろ蒸し、沖縄そば、ラフテー、ゴーヤ、ソーキ、ミミガーなどなどなどなど
思い出すとよだれが出てくる。
豆腐ようやもずくの唐揚げもいいね〜

家族で出かけるのはいい!
まだ子供が小さいというのもあるけど、とてもかわいい。
家族団らんというけれど、とても幸せを感じる。
そんなイメージでない、とよく言われるけれど、実は私はファミリーパパなんです (^^)!

帰りに、国際通りで広島の友達先生に教えて貰ったシーサーの店に寄ってきた。
ここはすごいね…
外観を見て絶句…

中に入って作品を見せてもらった。
みんな、生き生きしてる。
力強い!

これがいい!
気に入った作品を買ってきた。
見るたびに沖縄を思い出して、元気が出そう!

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2016年08月17日

地道な努力!

先日、日大の軟部外科勉強会で腹腔鏡手術の話をしてきた。
今年から日大外科の浅野先生のところで研究員として勉強させていただいているが、その関係で依頼を受け、せっかくの機会なので喜んで引き受けた。
わざわざ浅野先生からお話を頂いたのも嬉しい。

幸いスライドは岐阜大の講義で使ったものや名古屋市獣医師会で使ったものがあるので、そこに最近の知見や手術方法を盛り込んだものを用意した。
岐阜大の講義では毎年バージョンアップしているので、講演も少しは自信がついてきた。
約1時間の話であったが、その後にはいくつか質問も出たし、興味深く聞いていただけたと思う。

そこで感じたのは、まだ腹腔鏡をやっていない多くの先生が腹腔鏡に興味をもっているということ。
導入したいと思っているが、実際にどうやって技術を学んだらよいか分からないでいるようだった。

私の場合は幸いなことに多くの学びの場に恵まれた。
獣医内視鏡外科研究会や人医学での学会出席、海外での講習も受けてきた。
九州大学や企業主催の実習にも多く参加してきた。

そんななかで、ここまでこれたのは同い年の友人たちが多く内視鏡外科をやっていたためだと思う。
途中で少しモチベーションが落ちても、どんどん進んでいく友人を見ていると負けてはいられない、とまた奮起してやってきた。
それは今でも変わらず、友人がフェイスブックなどで頑張っている姿を見ては、よし自分も、と刺激される。

そんな状況を少しでも今からやろうとしている人たちに還元しようと、愛知や岐阜の先生たちと腹腔鏡の勉強会を立ち上げた。
まだ腹腔鏡を導入していない先生から、日常的に腹腔鏡手術を行っているがもっともっとアドバンスな手術を行いたいという先生たち数名と定期的に勉強している。

こういった勉強会はとにかく地道にコツコツと続けいていくことが非常に大切だと思っている。
派手なように見える技術の裏には毎日コツコツとした修練の積み重ねがあると友人に教えられたので、私も
彼に習って少しずつ一歩一歩前に進んでいきたいと思っている。

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2016年08月14日

芸術!

昨日、実家で親戚の集まりがあり、私も久しぶりに仏壇にお参りをしてきた。
昔は従兄弟達と花火をやったり、遅くまで飲んだりしたけれど、最近はみんな50を過ぎて食事に行くだけになった。

その食事会の中で、ある従兄弟の娘さんが東京の有名芸術系大学の陶芸科に通っているという話になった。
陶芸家になるには先生と呼ばれる人に弟子入りし、何年もかけて修行する、というイメージがあったのでちょっと意外だった。
だから陶芸科を出たら、果たしてどのような就職口があるのか頭に浮かばなかった。

ちょっと酔っていた私は、「それならペットの食器をオーダーメイドで一つづつ手作りで作ったら面白いんじゃない?写真を入れるとか、その子のイメージに合った色とか、形とか。耳の長い犬には耳が汚れないような形を工夫したり、首の痛い子には足を高くして首をかがめなくても楽にご飯が食べれるようにしたり…」

自分でも「これは素晴らしい閃きだ!」と思ったが、当の本人は半信半疑。
ネットでも調べたけど、出来合いの食器に名前を入れたり、イラストを入れたりするサービスはあるけど、形からデザインしてくれるところなんか無いからね〜
これ、絶対売れます (^^)!

そうだ、りんごのHPで販売しよう!
皆さん是非ご購入くださいね!
値段はいくらくらいがいいかな〜

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かっこいいね、オーストラリア! こんな感性欲しい!
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2016年08月12日

夢と希望!

りんごの樹動物病院のミッションは「究極の一次診療」を提供すること。
でも、一次診療という言葉があまり一般的でないらしく、よく分からないと言われる。

で、最近気に入ってるのが「かかりつけ病院」という言葉。
という事で、一次診療→かかりつけ病院としました。
「究極のかかりつけ病院」としてりんごの樹は今日も頑張っています (^ ^)!


さて、最近思う事…
先日も実習に来てた学生の子や、見学に来てた友人の先生と話してて強く感じた事。
ちょっと前に来た学生も同じような感じで話していた。
それは、将来に対する不安。

日本の景気は悪い。
世界的な景気もイマイチ。
日本の人口もしりすぼみ。
ペットの飼育数は減る一方。

結果、開業してもリスクが高い。
大きな借金背負ってやっていけるか不安。
開業に良い場所もすでに無い。
そもそも忙しい臨床の現場でついていけるか自信がないし。

だから、保険として公務員や大動物、企業なんかも一応考えているんです。
働いてしまうともう見学に行けないから、就職するつもりはないけれど公務員や共済にも見学に行きました。
いろんな病院を見てみたいから、もう10件以上回っています。
実は内定もらってるんですが、一応他も見ておこうと思って…

う〜ん…
気持ちはわからないでもないけど…
若い人から希望とか夢とか出ないのはどうなんだろう、と思ってしまう。

時代が違うかもしれないけど、僕の時はわき目もふらず小動物一本だった。
臨床しか頭になかったし、楽しくて仕方なかった。
楽しすぎて大学院にも行かせてもらったが、はじめから開業するつもりだった。
他の職種見てみようとか、見たいとか全く考えもしなかった。

それが良いとか、悪いとかではない。
でも、あまりにも疑心暗鬼になりすぎではないか?

学生を卒業して働くという事はそれを一生続ける事。
途中で職種が変わる事はあるかもしれないけれど、初めから変わること前提で職業を決める人はいないだろう。
一生続ける仕事がおもしろくなかったら、どんなに寂しいだろう。

仕事が楽しいと思えるような人はほんの一握り。
そういった意見もあるようだが、本当にそうだろうか?
多くを求めすぎていないか?
多くを守りすぎていないか?

少し前にスナフキンの話をしたが、ミニマリストであれば何も守る必要はない。
何も気にする必要はない。
世に溢れる情報に洗脳されていないか?

こうならなくちゃいけない、ああならなくちゃいけない、本当だろうか?
いろいろな可能性があって良いと思うし、それを信じる希望やワクワク感が感じられないのは寂しい。
いろんなところに行って、いろんな体験をして、目のキラキラした人たちに会っていると、僕自信なんでもできる希望の塊のように思ってるから、獣医さんにこれからなる若い人もキラキラしてて欲しいと思う。

夢や希望を語って欲しいなあ。
これからいろんな夢をみて欲しいなあ。
世界にどんどん飛び出して行って欲しいなあ。

勝ちとか負けとか関係なく、人生を目一杯楽しんで、仕事も目一杯楽しんで欲しい。

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今年の夏用に作ったうちわ!「究極のかかりつけ病院」の文字が…
500枚のうちわがもう無くなってしまいました。皆さんに喜んでいただけて嬉しい (^ ^)!
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2016年08月05日

ウォンツとニーズ

すみません、その日は一杯なんです…
申し訳ありません、その日◯◯先生はお休みでして…
他の先生であれば空いてるんですが、聞いてみないと…
聞いてみる事はできるんですが…
混んでて、できないかもしれないんですが…

先日、うちの看護師がこんな電話対応をしていた。
聞くと、なるべくお客様に正しい情報をお伝えしようと、こういった対応になってしまっているようである。
何か言い訳ばかりで、自分の(こちら側の)身を守るようにしか聞こえない。
お客様が何を望んでいるのか?
言い訳を望んでいるわけでは当然ない。

こんな話がある。

ある家電店にテレビ売り場担当のサービスマンがいた。
顧客に商品の事を聞かれ、そのサービスマンは一生懸命に新商品の機能説明をした。
こんな機能が付きました、あんな機能が付きました…
でも、そのお客様はその商品を買っていかなかった。

別のお客様に、今度は別のサービスマンが担当した。
同じように聞かれ、そのサービスマンは機能の説明は全くしなかった。
その代わり、新しい機能でお客様の抱える問題をどのように解決できるのかを説明した。
そのお客様は喜んでその商品を買っていった。

お客様は当院に対して、どのような問題の解決を求めていらっしゃるのか?
できる、できない、ではなく、どうしたらこのお客様の「困った」を解決できるのか?

わかりました、ではまず、◯◯先生が対応できるかすぐに確認してみますね!
連絡が取れなかったら、また折り返しこちらからご連絡差し上げます!

言い訳はいいから、まず動いて解決する方向に向かってみる。
そうすれば、次の一手が見えてくる。

そういった姿勢をお客様は望んでいらっしゃると思う。

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先日の加藤先生の結婚式、二人のテーブルには夏らしく向日葵が咲き誇っていた。元気な加藤先生らしい(笑)
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2016年08月03日

岐阜大学にて

中部地区には獣医科大学が岐阜大にしかない。
名古屋大学くらいにあっても良さそうなものだが、岐阜にしかない。
だから、中部地区では岐阜大学が獣医学教育のメッカなのである。

そんな岐阜大学で「低侵襲手術」ということで授業と実習を行ってきた。
6年大学に行くうちの4年生なのでちょうど微妙なところである。

外科が全くわからない、というわけでもなく、一通りのことがしっかりわかっている、というわけでもない。
ちょっと齧(かじ)りかけだけど、これから面白くなるのか、つまらなくて嫌いになるのか、まさに分岐点である。

こんな学生の皆さんに話をするのはちょっと責任重大である。
私の話が面白ければひょっとしてこの子達は外科の道に進むかもしれないし、つまらなければ小動物獣医の道すら進まないかもしれない。
いまは公務員とか一般の会社とかも人気で、いわゆる開業獣医は先も保証されていないアウトローの職業のように思われているらしく、その道を選ぶのにはまあまあのリスクがあると噂されているようだ。

お昼に一緒にご飯を食べた学生も言っていたが、ほとんどの学生は臨床の道には進まないようだ。
これには全く残念!
こんなに面白くて、刺激的で、感謝されて、自分の成長が実感できる職業なんて無いのに(主観だが)!
一生懸命勉強して、それが患者さんのためにすぐにでも役に立てて、それでいてありがとうと感謝され、そのうえお金までも頂ける。

彼らの言い分は「もう開業するにしても場所がありません」…
いやいや、そんなことは全然ありません。
ちなみにりんごの樹は田んぼのど真ん中ですが…顔1(うれしいカオ)あせあせ(飛び散る汗)

仕事は楽しくなければいけない。
その仕事が好きで、やっているだけで幸せで、ああ面白いなあ、と思えなければ人生なんと虚しいことか。

楽天的な私はそんな感じでずっとやってきたが、これもバブルを経験しているからなのかもしれない。
いまの学生はバブル崩壊後の空白の何年を過ごしてきたから、なんとか負け組にならないように、平凡でもつまらなくてもいいから、まあまあのところでいければいいという風潮が強いのかな。

そういうのも一つの人生だと思うが、めちゃくちゃ一生懸命やって、倒れるまで一生懸命やって、死ぬほど頑張るのも、私にとっては面白い人生だと思えるのが不思議。
年を取ってきたのかもしれないけどね。
その場、その状況、を楽しめる、打ち込める、興味を持てる…
これは特技では無いと思うけど…
みんなその気になればできると思うんだけど…
違うのかしら?

何れにしても「低侵襲手術」の授業は概ね好評だったらしく「面白かったよ」という声が多くいただけた。
準備はまあまあ大変だったけど、これは嬉しかったですね。
いろいろなことが楽しめながらできると人生豊かに行けそうですね…にこにこ

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本当は実習やっているところを載せようと思ったんですが、顔が出ちゃうんで今いろいろ煩いから止めました。これは岐阜大学医学部の内視鏡トレーニングセンターのプレート。医学部の施設を借りて実習を行います。日本ではおそらく岐阜大学だけではないかな?ここまで本格的に実習するのは…
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2016年07月28日

オーストラリア

オーストラリアまで行って外科実習をしてきました。
わざわざそんなに遠くまでなぜ?
ですよね、本当に。

日本ではいろんな理由があって実習をするのが非常に困難です。
人医の世界でもそうですよね。
献体されたご遺体で学ばせていただくのも、非常にデリケートな問題で日本では難しいです。

最近は模型が非常に良くできていて、大学でも90%以上の外科実習は模型を使って行うそうです。
でも大学では模型を購入するお金がないから、百均で材料を買ってきて外科の学生が模型を作っているそうです。

腸を縫合するのは実はとても難しいです。
簡単だという先生は何度も本物の腸を縫っているから簡単だと言えるんです。
模型でしか縫ったことがない先生が、いざ本番で実際の腸を縫って簡単だと言えるはずがありません。

学生の時に模型でしか腸を縫ったことがない先生に、大事な我が子の腸の縫合をお願いする気になるでしょうか?
私は絶対に嫌です。
そんな経験のない先生に絶対に縫って欲しくないです。

私たちの仕事は残念ながら経験があればあるほど成功率が高まります。
だから一生経験を積む努力をします。
経験したことがなければ、なんとか経験を積めるようにいろいろ頭を絞ります。

人の手術を見学に行ったり、ビデオを見たり、模型でトレーニングしたり、知り合いの先生に手術の助手に入ってもらって教えてもらったり、海外まで出かけて行って上手な先生に教えてもらったり、学生の頃から実にいろいろ努力をしてきました。
これからも死ぬまで技術を高めていかなくてはいけません。
技術を高めて多くの動物たちを、命を救わなければいけません。

それが私たちの使命であり、生まれてきた理由だと思います。

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オーストラリアの大学はとても綺麗で広くて気持ちがいいです。
一昨年も書いたと思いますが、こんなところで勉強できるのが羨ましいです!
posted by もとき at 02:20| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記

2016年07月18日

最新式尿管結石手術

尿管結石はとても痛いらしい。
私はなったことがないが、父が罹患し、とても痛かったと言っていた。
知人の先生も尿管結石で悶絶し、救急車で運ばれたらしい。

実はこの尿管結石、猫では非常に多い疾患である。
若年でも発症することが最近分かってきた。
血液検査で急性腎不全と診断されている症例の何割かで、実はすでに尿管結石が出来ているのではないか、という話も聞く。

小さな結石だと超音波検査では見逃すことも多い。
また、血液検査だけで診断名がついてしまい、超音波検査まで進まないことも多い。
こういったときに非常に有効なのが「無麻酔CT検診」だ。

え〜CTですか!
と、びっくりされる方も多いが、まず見逃しが無いことが大切なポイント。
キャリーに入れて撮れば、比較的おとなしく撮らせてくれる。
早期発見、早期治療が極めて重要である。

尿管結石は一旦できてしまうと非常に厄介だ。
ちょっと元気がない、とか、ちょっと食欲がないという症状だけの場合もある。
こういう時は血液検査でも異常が出ない。

人であれだけ痛いのだから、たぶん猫もすごく痛いと思う。
痛いけど我慢してて、他人が見ると「ちょっと今日は元気がないな」くらいにしか感じないかもしれない。
ちょっと元気がないので点滴して様子みましょう、ということで知らないうちに治療されていることもある。

飼い主さんも獣医側もまさか偶然治療されているとは夢にも思わない。
そうやって時が過ぎ、腎臓がだんだんやられて、ついには慢性腎不全になって見つかる。
人だったら、こんなことは絶対にないことだ。

この尿管結石、手術方法もいくつかあるが、過去には再閉塞や死亡率が非常に高かった。
幸運なことに最近、画期的な手術方法が考案され、世界各国で実施されつつある。
日本にもここにきてやっと導入された。

先日、神奈川の日大まで行ってこの画期的な手術を学んできた。
実際の手術に使う本物の器具機材を用いたドライラボは非常に高額なセミナーだったが、実際に手で触れ、理論を学び、収穫はとても大きかった。
どういうトラブルが多いのか、その対処法は?
いいことばかりでなく、こういった結果が良くなかった時の情報が極めて大切だ。

おそらくこの手術によって、猫の尿管結石症の多くが助けられると思う。
帰りの名古屋駅のホームにあった看板にふと目が止まった。
「挑む人間がいる限り、記録は塗り替えられる」

現状に満足する、あるいは失望することなく、常に前を向いて挑戦していきたい。
いくつになっても、上がっても下がっても挑戦していきたい。
大したことができないかもしれないが、一歩づつでも登っていきたい。
大仰に構えず、たわいもない人生を過ごしていきたいと思う。

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posted by もとき at 11:33| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記