2017年06月22日

麻酔外科!

先週末、大宮で行われた獣医麻酔外科学会に参加してきました。
今回、この学会参加の一番の目的は、四谷メディカルキューブの笠間先生のお話し「人医療の内視鏡外科医に学ぶ」を聞くことでした!

笠間先生は肥満外科では非常に著名な先生です。
私がまだ内視鏡手術を始めた頃、研究会で直接いろいろなことを教えていただきました。
縫合と結紮は糸で縫ったり結んだりする技術ですが、笠間先生は「一球入魂」ならぬ「一針入魂」の気持ちで一針一針縫っているのだそうです。
動物の内視鏡外科では腸管や胃を切ったり縫合したりする術式がまだほとんどないので一針一針というわけにはいきませんが、それでもその想いには共感するものがあります。

そういえば前回ご紹介したGayet先生も「とにかく慌てず」「丁寧」に「安全」に「確実」に手術を行うことを信条とされておられました。笠間先生にも通ずるところがあり、ぜひ真似しなければならない姿勢だと思います。

内視鏡外科はお腹の中で手術をするので、トラブルがあった時の対応が開腹手術に比べ難しいのが欠点です。
そのかわりとてもよく患部が見えますから、血管の一本一本、神経の一本一本を丁寧に見極めることができます。
顕微鏡でおこなう手術に非常に似ていて、顕微鏡手術も膜を一枚一枚丁寧に剥がしながら手術をしていきます。
だから、縫ったところから出血するということは基本的にありません。
組織の張り具合や緊張を確かめながら縫っていきます。
このように丁寧に手術をすることで出血してから止血するのではなく、出血そのものをしないように心がけます。

また、内視鏡手術ではよく「見えないものが見える」と表現されます。
どういうことかというと、肉眼ではそこまで認識してなくてうっかり切開してる膜一枚もちゃんと見えるという意味です。
見えるということは、膜一枚を残して切開する、あるいは膜一枚深いところを剥離していく、という繊細なことが可能になります。
このことは細い血管を残して切るべき組織を切ることが可能になりますから、当然出血が少なくなり、その結果組織のダメージも少なく、回復が早くなる、手術が安全になるということです。

笠間先生の手術は超肥満の患者さんの胃を部分的に切除し、腸管を切ってから再接続させます。
これを開腹でやったら間違いなく今よりも成績が悪くなる、すなわち手術後の経過が悪くなるとおっしゃっていました。
腹腔鏡手術は単に傷が小さくて痛みが少ないだけではなく、安全性も高いということなのです。

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posted by もとき at 16:58| Comment(0) | TrackBack(0) | 日記
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